東北大学病院 漢方内科 災害時ボランティア 5月22日分

日時:平成23年5月22日
場所:青葉中学校 (避難者数 約310人), 渡波小学校(約300人), 万石浦中学校 (約140人)
参加人数:16名(医学部学生3名, 赤門学生3名, 鍼灸師6名, 大学教員2名, 医師 2人)
施術を受けた方々:135人
診療を受けた方々:12人

5月22日に避難所である青葉中学校(午前)と万石浦中学校(午後)、渡波小学校(午前・午後)に行き、マッサージ・鍼灸ボランティア活動と漢方薬の診察処方を行ってきました。今回もたくさんの方々にマッサージや鍼治療を受けていただきました。
青葉中学校には2週間ぶりの訪問で、楽しみにしていた方々が大勢いました。マッサージのボランティアも色々な方々がいらっしゃっているそうで、その内容もソフトなマッサージからハードなマッサージまで様々で、多くのグループが訪問されているとのことでした。中でも私たちのグループのマッサージは評判が高く、始まりの放送とともにたくさんの方々が集まってらっしゃいました。

円皮鍼は今回も好評で、手のむくみやしびれ、腰痛・膝痛・便秘など使用しました。前回、前々回にパイオネックスを使用した方々がその効果を実感して再度の治療を希望されるケースが多かったように思います。
渡波小学校は仮設トイレ使用で、水の使用も下水が上がるために制限されており大変な状況ですが、皆さんがんばっています。こちらでも前回のボランティア内容が好評であったことを本部の方々からお聞きしました。

万石浦中学校では、自衛隊によるシャワーサービスが行われていました。自衛隊によるシャワーサービス

◇今回参加者からの感想や印象(抜粋)◇

◇渡波での感想◇
・少しずつではあるが、環境は改善しているようでした。
・生活の再建に向けての仕事による肉体的疲労が増えていた。
・前回のマッサージや一部に行った鍼治療で症状が軽減したとの感想を複数頂いた。腰痛・便秘、膝痛による歩行困難、肩凝りなど。
・終了の挨拶時、本部スタッフの情報として「東北大学のマッサージ」はとても良いとすでに反響があったと教えて頂いた。
・ボランティアの中には、団体と活動内容を把握するボランティアスタッフもいて参考になった。最近の類似の活動状況などを簡潔につかめた。
・「動けない人」がかなり遠慮をされている印象をもちました。
・ボランティアをお休みした先週も、避難先の皆さんが待ってくれていたことに嬉しさを感じました。同時に、行くことができなかったことにも、申し訳なかったなあ〜っても思いました。
・漢方とマッサージの併用ボランティアが受け入れられていることと、これらを提供できることに、参加してくれた先生方や学生さん達に感謝せずにいられません。継続してのボランティアにも信頼ができている結果なんだろうと感じています。そして、ボランティア参加者各人の誠実な対応が受け入れられているんですね。参加する度に、新たな新鮮な学びを覚えます。
・今週も、参加してくれた人たちにも、そして、苦しい状況を打ち明けてくれた皆さんにも、その近くの人々にも微笑みが生まれ続きます様に祈るばかりです。


◇万石浦の感想◇

・今回は万石浦にも行きましたが、満潮時には周辺が水没してしまうという事で、被災者の方々は非常にご苦労されている事がわかりました。また、中々仮設住宅にも入れず、人々の不満やストレスが高まっていると感じました。
・今回でボランティアは一旦終了ということですが、避難所の方々のマッサージや鍼治療、漢方薬等への要望は強いと感じておりますので、機会があればまたボランティアに参加したいと思いました。


◇その他感想◇

・参加させて思った事は、鍼やマッサージのボランティアが追いつかないくらい、まだまだ避難されている方の状況が厳しいなと思いました。以前行ったビッグバンでは、布団は一応揃っていると言っていましたが、青葉中はまだ毛布をひいているとおっしゃっていてびっくりしました。
・また、目につく至るところに被災について報道している新聞があること(棚の目隠しや床の上に敷いたり等)は、知らず知らずに気分を落ち込ませるのではないかと心配になりました。些細な事ですがお気に入りのものや、使いやすいもので、我々は日々小さな安らぎや癒しを得ているのに、そういった物が無い生活の中でそういった新聞が目につくというのは知らず知らず気持ちを沈めている気がします。そんな中で東北大学病院から来たというのは、同じ東北の人間が来たという安心感もあり、嬉しいのだろうなと思いました。また、鍼、マッサージ、漢方薬と選択肢がある事は、選択する事の出来ないサービスが多いなかで極めて重要な事だと思います。
・マッサージを受けた方の中にも避難所から仙台に通勤しているという男性もいらっしゃいました。喜んでもらえるのがうれしい一方では、「接骨院再開しています」などの張り紙を見るとマッサージを生業とされる方々の復興を邪魔しかねないという感も受けます。ここは被災者無料の医療費と異なるところですね。


石巻市内、周辺の復興もゆっくりですが、進んできており周辺地域の鍼灸治療に携わる方々の治療院も再開してきています。感想内容にもありましたが、被災地で開業されている方々の仕事面に配慮する時期にきたと考えています。医療面についても、開業医の先生方の活動と復旧に伴い、石巻合同医療チームによる避難所での医療活動は徐々に縮小している現状です。
これまで、震災から2ヶ月半の間休日などを利用してボランティア活動を行なってきました。私どもの活動も現在の状況に合わせて徐々に縮小を考え、一旦ここで小休止にすることにしました。今後は避難所や仮設住宅への移転状況も踏まえて、活動の再開を考えていきたいと思います。



(文責:東北大学医学部学生3名、赤門鍼灸柔整専門学校学生3名、卒後研修センター 松田綾音、鍼灸師 川奈部エミ、鈴木琢也、涌谷町立病院 平田宗先生、沼田健裕、漢方内科 山本芳子・楠山寛子・平野篤・渡部正司・高山真)