青葉中学校及び中里小学校でのボランティアと診療活動

4月17日に石巻市内の避難所である青葉中学校に午前・午後(避難者数約500名)、 向陽小学校(避難者数約80名)に午後滞在し、マッサージのボランティアと漢方薬の処方を行ってきました。 今回は医学部学生のボランティア5名と卒後研修センターから看護師1名(門馬)、 当科の鍼灸師2名(神谷、松田)、医師1人(高山)、有.堂から鍼灸師1名(鈴木)の参加となりました。

この日も天候は晴れで、日中は復旧活動のために外に出ている方々が多く約半数の方々が避難所で休まれていました。 この日は総勢10名での参加でしたので、午前中は教室をお借りしての首・肩周りのマッサージや足ツボマッサージの グループと各教室や体育館を回る巡回のグループに分かれてマッサージを行いました。

午前9:30から始めて12時の食事時間まで行い、一時休憩。昼食時には炊き出しに来ていたグループの方々から、 避難者の方々にふるまった後に余ったトン汁やおにぎりを頂戴しました。ありがとうございました。
午後は13:30から16:00まで6名が青葉中学校でマッサージを継続し、残った4名は向陽小学校に移り、 14:00から16:30まで巡回マッサージを行い、青葉中学校、向陽小学校での午前・午後のボランティア で111名の方々にマッサージを受けていただきました。


以下に参加した学生とスタッフの印象や感想を挙げます。

◇予想以上にマッサージの需要が多く、とてもやりがいがありました◇
マッサージ後に「楽になった」と言ってくれる方が非常に多く、たった数時間の講習しか受けてない自分でも、 被災者の方々の力になれたことをとても嬉しく思います。(マッサージの講習を行ってから参加しました)
事前に一人当たり10分程度と言われていましたが、自分は様々な会話を交えて進行していたので、 平均20分以上はかかってしまいました。特に、午後に担当した方々は話を聞いてもらうのが楽しかったらしく、 1時間以上もかかってしまいました。話すことによって癒されたそうなので、その方々には良かったですが、 もう少し他の人々も担当すべきだったかもしれません。昨日は貴重な体験ありがとうございました。


◇避難所の皆さんが笑顔で接してくださったことが何よりも嬉しかったです◇
その反面、指先から伝わる身体の悲鳴は、被災家屋の片付け作業や冷たく硬い床の上での就寝といった被災生活 による影響を如実に物語っていたと思います。笑顔の奥に垣間見える避難された方々のご苦労を思えば、 あてがう指の先にまで自然と力が入る思いでした。
復興の足音が近づくにつれ、家屋を流されたり、職を失ったことによって、社会的に苦しい立場に 追い込まれた人たちが避難所に取り残されていくことが予想されます。こうした方がたの傍らに立ち、 心身のご苦労に少しでも寄り添うことができるよう、今後もこうしたボランティア活動が継続されることを願っています。


◇学生のボランティアで何ができるだろうと思っていましたが・・・◇
10分程度のマッサージでとてもよろこんで頂けたことが印象的でした。 長期の避難で体調をくずされている方もいて、疲れがたまっているのだと感じました。 簡単なマッサージでも避難されている方の力になれるということがわかりました。

◇初のボランティア参加と自分にできること◇
ボランティアに参加したのは初めてだったので、最初はどのように声をかけて良いのかわからず戸惑いました。
しかし、避難所の皆さんは非常に優しい方が多く、私の未熟なマッサージにも大変丁寧な感謝の言葉をいただき 、マッサージの終了後には被災体験や最近の様子などを話してくださり、非常に印象に残りました。
避難所の方々は冷たく硬い床の上に毛布を敷き、寝るときも身体を伸ばせないため、身体が痛かったりしびれたり している方がたくさんいらっしゃいました。そのため、マッサージや鍼治療を希望される方は想像以上に多かったです。 また、粉塵や花粉のせいか、せきや鼻汁を訴える方がたくさんいらっしゃいました。
ボランティアに参加する前は、学生である自分にできることなどあるのだろうかと不安でしたが、 マッサージやお話を聴くだけでも大変感謝していただき、少しは役に立つことができたのかも知れないと思いました。


◇マッサージすることが被災者の思いを知る糸口にもなっている◇
テレビでは、連日のように被災地の映像が流れていました。何か新しいことを始めるよりも、目の前の仕事を こつこつとこなすことが大切な自分の役割であることはわかっていました。それでも何か直接的に、 被災者のためになることをしてあげたいと思って、漢方内科のマッサージボランティアに参加させていただきました。
参加して思ったことは、マッサージすることがその目的のみならず、被災者の思いを知る糸口になっているという ことです。ほんの10分間ではありますが、些細な話からはじまり、時折、困っている事への話にもつながります。 ただ受容的に聞いてあげるしかないこともあるのですが、少しの行動で解決できることもあるのです。
先日は、避難所の体育館で生活している腰痛持ちの方に出会いました。話を伺うと、地べたに座って生活することが、 とても辛いそうです。避難所には余っている椅子がちらほらありましたが、遠慮して言えないのだそう。そこで、 マッサージを終えた後に本部の方へ状況をお伝えして、椅子を確保してあげました。
被災者の心境として、表に出せない思いがたくさんあるはずです。せっかくのご縁があって、 マッサージをさせていただく関わりの中で、その部分を少しでも手助けできればと思いまし た。そういった意味も込めて、マッサージの波及効果は無限大だと思います。


◇その他、感じたことや気がついたこと◇
足がむくんでいる方が多かったので足つぼは有効ではないかと思いました。 ただオイルやペーパー等の道具が必要なので巡回には不向きかという印象を持ちました。
コリをほぐしてあげれば楽になるという方ばかりではなく、今回はしびれや強い痛みなど 本格的に治療が必要な方が多かったように思います。被災者の方々は強い痛みがあってもなかなか 受診出来ないとの事でした。


この日の漢方薬の処方は少なく、5名でした。2名は花粉症やホコリに伴う鼻炎、3名は便秘でした。 便秘の方々のお話では、炭水化物に偏りやすい食事内容と運動を行う期会が少ないことなどで、 震災以前よりも便秘がひどくなっているということでした。

また、今週も当科の鍼灸師渡部(大学院生)が原発避難者の避難所である、 福島県会津板下町川西公民館に行き、マッサージ・鍼治療を行ってきました。 我々の活動で被災した方々の心・体を少しでも癒すことができればと思っています。

(文責:東北大学医学部学生5名、卒後研修センター 門馬靖武、漢方内科 神谷哲治・ 松田綾音・渡部正司・高山真、有.堂 鈴木琢也)

Copyright ©  2008  Center for Asian Traditional Medicine Tohoku University Hospital  all rights reserved.