石巻赤十字病院へ向かう医師派遣への参加(高山、渡部)

3月28, 29 ,30, 31日と東北大学病院から石巻赤十字病院へ向かう医師派遣に加わり、 石巻市内の避難所を巡回する診療に加わった。
DMAT(災害派遣医療チーム:Disaster Medical Assistance Team)による周辺区域の避難所の診療は、 今回の震災、津波による広範囲の被害に対して、日本各地から集まった医療スタッフを 各地の医療状況に合わせて毎日派遣される形になっており、東北大学病院からの医師派遣の我々は、 現地でDMATの医療活動に組み込まれるか、石巻赤十字病院のスタッフにより必要な病院内の活動に割り当てられる、 もしくは独自に避難所まで往診に行くなどの形式があった。
28-30日は当科高山、31日は高山と渡部が参加した。 当科では、漢方薬を用いて避難所の被災者の方々の様々な症状を改善できればと、 仙台市内の漢方薬局からの応援で行く文化の漢方薬を調達し、またツムラ株式会社からのご好意で いくらかの医療用漢方製剤を送っていただき、これらを連日避難所の状況に合わせて運び、診療を行った。

石巻市内の向陽小学校+向陽コミュニティセンター(避難者数:230人)・蛇田小学校(383人)・蛇田中学校(800人)・青葉中学校(840人) の4箇所の避難所に足を運んだ。
この間に一緒になったグループは、富山・石川・東海大学・長野からのDMATと石巻の医師会の先生方だった。 被災から2週間以上経過しても、使用できる薬剤は限れれており、食事内容や水制限の問題もあり、栄養状態、清潔状態を改善することが難しく、 感染症も肺炎などの重症例が増えてきてるという話であった。

避難所では、4日間で約100人の診療を行った。漢方薬の適応となる症状としては、
1. 幼児の腹痛、下痢
2. 感冒
3. 咽頭炎
4. 鼻炎
5. 高齢者の便秘
6. おなかが冷える
7. 薬剤アレルギーのため、限られた西洋薬での対処が困難
8. 乾咳
9. 不眠
10. 不安

処方した漢方薬では、五苓散・小建中湯、葛根湯・桂枝湯・麻黄附子細辛湯、竹茹温胆湯・桔梗湯・小柴胡湯加桔梗石膏、小青竜湯、大建中湯・調胃承気湯、人参湯、麦門冬湯、甘麦大棗湯など

特に、震災から2週間経過後からは徐々に気温が上がり、津波により運ばれた泥、瓦礫などが乾燥して大量のホコリが空気中に広がり、鼻炎や咳嗽の症状が多かった。小青竜湯や麦門冬湯などの漢方薬により症状が軽減する方々が多く、再診で処方の継続を希望する方々が多かった。

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